2025/05/07 14:42

皐月の風が緑を揺らす頃、八百屋には淡い緑をまとった野菜が並び、魚屋には初物の魚がキラリと光ります。
そんな季節の恵みとフランス自然派ワインを合わせたら、食卓は驚くほど爽やかに、そして静かに華やぎます。
モンソムがお届けする 5 月のマリアージュは、「新緑の旨味をワインで映す」 がテーマ。
それぞれのペアリングはすべてモンソムで取り扱うボトルから選びました。感性と科学が出逢う、初夏の物語をどうぞ。
モンソムが厳選した6本でつづる、皐月の食卓と自然派ワインの物語
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竹の子ご飯 × Château Bonnet Beaujolais-Villages Blanc  2023  Château Bonnet 12 ℃でふわりと開く春の香り
土鍋の蓋を開けた瞬間に立ちのぼる若竹と米の甘い湯気。その湯気にそっと重ねたいのが、やや高め12 ℃で注ぐボジョレー・ブラン。レモンクリームの柔らかな香りが筍のほろ苦さをやさしく包み込み、石灰質のミネラルが後口をきゅっと整えます。低い温度では隠れていた白い花と蜜のニュアンスが顔を出し、まるで春の山を歩くような余韻を運んでくれる――「温度で花ひらく自然派ワイン」の妙味をぜひ。
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そら豆の塩ゆで ×Mâcon La Roche Vineuse “Les Nonjoulettes” 2022  Vignoble de Sommere
塩を弾いたそら豆を指先でつまみ、ほくりと頬張る。その青味が舌に残るうちにマコンのシャルドネをひと口。グレープフルーツと青リンゴの香りが豆の甘味をきらりと浮かび上がらせ、石灰的ミネラルが塩味をやわらかく丸める。余韻で感じる白い花のほのかな苦味が、そら豆の薄皮の渋みと重なり、淡い緑のスクリーンが口中に広がります。初夏の夕暮れ、風鈴が揺れる縁側に似合う一杯。
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初鰹のたたき ×Savigny-lès-Beaune “Les Peuillets” 2022  Domaine Jeanson Parigot
藁焼きの香ばしい煙をまとった初鰹に寄り添うのは、サヴィニー・レ・ボーヌの畑「レ・プイエ」。ラズベリーやドライローズの香りと、ほのかなスパイスが赤身の鉄分を包み込み、紫蘇や生姜の薬味を引き立てる。タンニンは絹のように細く、低亜硫酸仕立てならではの澄んだ酸が鰹の旨味を最後まで曇らせない。“火入れ × ブルゴーニュ赤”――意外性の裏に確かな必然があるペアリングです。
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鰆の塩焼き ×Bourgogne Aligoté 2022  Domaine Simon Gaudet
皮目がぱりりと割れる鰆の塩焼き。噛むほどににじむ脂と潮の香りを、若いアリゴテのライムや青リンゴの酸がまっすぐ洗い流します。微かなハーブと火打ち石のニュアンスが塩気に奥行きを与え、魚の甘味をそっと引き伸ばす。冷蔵庫から出してすぐの 8〜9 ℃でキレを楽しみ、少し温度が上がる頃には果実の厚みが鰆のコクと溶け合う二段構え。
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新じゃがの肉じゃが × Château Bonnet Saint-Amour “Côte de Besset” 2022
瑞々しい新じゃがに醤油とみりんの甘辛い煮汁。そこへサンタムールのピュアな赤果実と白胡椒を重ねれば、芋の甘味がきらりと冴え、牛肉の旨味がふわりと膨らむ。軽やかな酸が後味を重たくせず、次のひと口を誘う“家庭料理×自然派ガメイ”の幸福方程式。
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― 皐月のテーブルに、風を注ぐボトルを ―
五月の旬は淡い苦味と若い甘味が共存します。だからこそ雑味のない自然派ワインが静かに寄り添い、素材の声をすくい上げる。造り手の哲学ごと味わえるモンソムのボトルで、グラスの中に“今だけの風”を閉じ込めてみてください。
▶ 5 月のマリアージュワインを探す(monsomme.jp)
次回は 6 月、梅雨の青魚が主役?どうぞお楽しみに。